大人になれないファーストラバー


「蕾のことよろしくね。」と言い残して、お母さんの気配はドアから離れて行った。



やっぱり蕾のこと心配なんだろうな。
今まで咲之助くんがいたから大丈夫な気がしていたけど、今は蕾を支えてくれる人がいなくなっちゃったから。



咲之助くんの存在って、蕾にとってだけじゃなくて、お母さんにとっても大きかったんだなって感じた。





着て来た部屋着をもう一度着て、蕾の部屋へ向かう。

階段を上がっている最中に、ふと蕾の病気について疑問が浮かんだ。



高1の冬に蕾が2週間ぐらい休んだ時があって。
その時に担任から生徒たちに軽く説明があったものの、あまり詳しくは教えてくれなかった。



"名取はひどい頭痛で2週間ほど来れないそうだ"


と。ほんと、こんな感じで説明って言う説明はなく、軽く済まされたのだ。




蕾がまた学校に来るようになってから話を聞いてみると。

『盲腸だよ。』

って蕾は言った。



盲腸で頭痛はさすがに何かおかしいと思い。
ある日の学校で何か知っていそうな咲之助くんを探していると、ちょうど葉山と話しているところを目にした。


葉山はあのどてかい葉山病院の息子だから、こいつももしかしたら蕾のこと知ってるかも。

と、蕾についての情報を持っていそうな男子二人に近づこうと一歩踏み出そうとした時だった。



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