大人になれないファーストラバー
そこで咲之助くんが口にした言葉。
『じゃぁ蕾は、大人になれない…?』
それがどういうことなのか、漠然としすぎていてまったく理解できなかった。
大人になれない…?
そんなことがあるのか?
蕾の部屋の前まで来て、ドアにかけようとした手が止まる。
咲之助くんはどうやら蕾の病気のことを知らないわけではないようなのに。
なんで蕾はあの旅行の時急にいなくなったりしたのだろう。
なんで蕾は、あんなに苦しそうなのだろう。
もしかしてまだ何か、咲之助くんに言ってないことがあるんじゃ…
それを考えようとすると、あいつの『一緒に行こう』と言う声が頭のなかで響いた。
まるで蕾のことを考えさせないようにしてるもう一人の自分がいるみたい。
そうだ。
あいつについて行くのなら、蕾のことに首を突っ込んでも仕方ない。
でもまだついて行くとはっきり決めたわけでもないし。
こうなるともうどうでもよくなってくる。以外とめんどくさがりみたいで、迷いすぎると考えられなくなるんだ。
もじゃもじゃする思考を払うように頭を振って、蕾の部屋のドアを開けた。