大人になれないファーストラバー



ところで、蕾のお母さんが用意してくれた下着は着たのかって?



それは…





出来れば聞かないで欲しい…。





誰に向かって言ってるんだか分からないような独り言を心のなかで呟きつつ。
中に入って部屋を見渡すと、蕾はベッドに横になって丸くなっていた。




布団も何もかけないで、まったくこの子は。


夏だから寒くはないと思うけど、明け方は少し肌寒くなるかも分からないから。


ベッドの上に無造作に置かれていたタオルケットを広げて覆い被せるように蕾にかけ。
その寝顔を眺めながら近くの床に座り込む。


そして聞いた。






「蕾はあたしがいなくなったら泣くのかな」




返事がないことは承知の上。
寝てる相手に話しかけるとは、あたしもけっこう切羽詰まってるな。




口も開く気配のない蕾を見つめて、微かな声で笑った。





「…どっか行っちゃうの?」




ふいに目を開いた蕾にびっくりして、笑みを張り付けたままの顔であたしは固まった。


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