大人になれないファーストラバー
四つん這いになったまま、おいおい男泣きするハヤマ。
そんなハヤマを同情の眼差しで見下ろして。
ある意味人の通りがないとこを選んでおいて大正解だったな、と心のなかで呟いた。
「なあ、もう泣くなよ」
階段を降りてハヤマの隣にしゃがみ、震えるその肩に手をかける。
「…情けなんかいらないさ。 このままばっさりぶった切ってくれ」
見た目のクールな印象からはかけ離れた、熱く重い武士のような発言。
俺は軽くため息をついて、宥めるようにハヤマの肩をぽんぽんと軽く肩を叩いて言う。
「お前さ、かっこいいからまたやり直せるって。今回のことは俺と先生しか見てないわけだし。」
「それでもダメなもんはダメなんだ。 完璧じゃなきゃ…」
「そんな思いつめるなよ。 俺に出来ることなら協力するから」
俺がそう言うと、項垂れていたハヤマの頭がみるみる起き上がってくる。
そして俺と向き合と、クールな顔で真剣な眼差しを向けてきた。