プリンス君家の7日間
……ジャリジャリ
石を踏み締める音が辺りに広がる。
いつもの林道を通って赤い鳥居を潜り抜け、そして、見慣れた社を見上げた。
あたしは社の一つの柱に、赤いハンカチを結んだ。
圭人は何も言わなかったけど、あたしが戻ると優しく笑ってくれた。
「…ねぇ、あたしと圭人が見ていた涼は、幻なんかじゃないよね?」
「……うん。いつも俺らの側に居たよ。」
「…ちゃんと、あたし達が見ていた涼は現実に居たんだよね。」
だから、忘れちゃいけない。
涼の、何もかもを……。