プリンス君家の7日間
サァっと吹く風は、決して何時もの強く冷たい風なんかじゃなかった。
温かくて、優しい風だった。
「…なんか、不思議だな。」
名簿に涼の名前が無かった。
その時点で、涼はこの町にまた引っ越してきたわけでは無かったこと。
今思えば、涼の兄弟にも、両親にも会ったことが無かった。
家に上がることも……。
何一つ気付きもしず、こうやって居なくなるまで側で見守ってくれた。
あたし達は、目を瞑り今までを振り返っていた……。