あの暑い 夏の記憶
しばらくして、バケツを持って準くんが戻って来た。
乳搾りしていいって。と、言うと。
もうすぐ出産予定だという、お母さん牛のところに移動した。
準くんは手袋を履いて、牛の4つのお乳を消毒すると、両手で掴んで搾乳を始めた。
「…こうやってあまり力を入れないで搾るんだよ。はい」
わたしたちにも手袋を用意してくれた。
「こう…?」
恐る恐る握ってみると、ビューッとバケツにミルクが流れた。
もっと難しいのかと思っていたのに、簡単にミルクが出て来る。
「あっちにいた牛は20から25㎏を搾乳したあとだけど、このお母さん牛は子牛たちにミルクをあげて、出産の為にここにいるから、すぐ出るんだよ」
「…お~っ、出てきた~っ!」
「日夏代わってよ!わたしもやりたい!」
準くんはそんな2人にバケツを2つ並べてくれ、わたしたちは交代しながら乳搾りに熱中。
白いミルクはあっという間にバケツいっぱいになった。