†Devil Kiss†
ローズは神妙な表情でアリスの話を聞いていた。




「ローズだって、ユハが普通の人間ではないんじゃないかって、感じたことない?」


「ありました・・・。手がいつも冷たくて、目の色もこの辺では見たこともない色だし。なにより、常識も何も知らないみたいだったし・・・」


「うん。でもユハはあなたの傍にいられてとても幸せそうだったよ。

あんなに、明るい優しい笑顔なんて、見たことなかったもん・・・

それに、ベルモンドにまであんなに嫉妬してね。

あたしもこの調子なら、上手くいくと思ってた。

無事に両想いになって、これで心配はないと思ってたの。

それが、突然変わった。」


「変わった?」


「ユハの敵があらわれたの」


「・・・・敵?!」



ローズは驚いて、眉をひそめた。



「セドリックという、ユハの昔からのライバルよ。

ここ3年の間、姿を見せなかったのに、突然帰ってきてね。

魔界で情報が漏れて、セドリックはユハが人間に恋をしていることを知ったの。

それで、」



「そう。それでユハを殺そうと思ったんだよ」


「!!!?」




二人が声のする上へ顔を上げると



「やぁ、お嬢様方」


「セドリック!!」



セドリックが笑って空に浮かんでいた。



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