最愛の人
バカだよね。
何聞いてんだろ。
変質者に「変質者ですか?」って聞いて「はい」なんていう人がどこにいるの?
いるわけないじゃん!!
はぁー、聞き方間違った…
やっぱり返事が返ってこなくて
目の前の変質者を見たら
驚いた顔?呆れた顔?…どっちかわからないけど、凄く複雑そうな顔をしてた。
「どうして俺が変質者になったかわからないけど、変質者ではないから安心して。」
これは…信じていいのかな?
「簡単には信じてもらえないよね。俺は『田崎 秦』。可奈子さんの…君のおばあちゃんの知り合いの者なんだけど…」
「おばあちゃんの?……でも、もうおばあちゃんは……」
そこから先は言いたくなくて言葉を止めたら
わかってるって顔で頷いてくれた。
「知ってる。何て言ったらいいか……まさか可奈子さんが亡くなるなんて…」
暫くあたしたちの間には沈黙が流れた。
何を話していいのかわからなくて自然と自分の世界に入り込んでた。
『田崎 秦』
聞いたことない名前だな…
ビシッとスーツを着こなしてて、歳は40前後かな?
見るからにかっこいいこの人とおばあちゃんはどういう関係だったんだろう?
『恋人』……うん。できれば違って欲しい。
『友達』これが一番しっくりくるよね。
じぃーっと秦さんを眺めててちょっと気付いたことがある。