最愛の人

はぁー…23時までバイトはさすがにキツイかな…


何回も溜め息をつきながら家に帰った。







…………?

うん…?


家の前に誰か…いる…?



暗くてよく見えない。
でも人影というか…微かに気配?みたいのが感じられる。


うーん…でも家に訪ねてくる人なんていないと思うんだけど




ま、まさか!!?泥棒?

…って泥棒は目立つような玄関先にいるわけないよね。



じゃぁ、へ、変質者!!?

これって…逃げたほうがいいの?



気がつくと自分の世界に入っていてその場に立ち尽くしてた。

あまりに深く世界に入り込んでたから変質者がこっちに向かっているのに気付かなくて…


「秋山初美さん?」



「………」


現実に戻ってきたあたしは変質者が目の前にいる事に驚いた。

変質者があたしの名前を知っていることに驚いた。



だから、相当驚いた顔をしてたんだと思う。



「あっ、驚かして申し訳ない。驚かすつもりじゃなかったんだけど…」



一向に喋らないあたしを、一向に動かないあたしをすごく心配した顔で見つめてる変質者…


「へ…変質者ですか…?」


口からこの言葉を出した後、すごく後悔した。
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