きみとベッドで【完結】
真っ直ぐな瞳に、決意がゆらぎそうになる。
しっかりしろ。
いい年の大人だろう。
夢だった教師という職を辞めたくないだろう。
俺はシキの顔を意識して思い出した。
あの狭い部屋で、俺の帰りを待ってくれているシキ。
俺にうまい食事を作ってくれるシキ。
抱き合ったあとに必ずココアを飲みたがるシキ。
普段はつかみどころがなく、俺をいいだけ振り回すくせに、
ベッドの中では戸惑うくらい素直で、
どこか儚げなシキ。
「浅倉」
「はい?」
「悪い。明日夜、予定が入っちまってな。行けなくなった」
CDを持ったまま固まった浅倉の目から、
きらきらが消える。