危険な誘惑にくちづけを
 



「本当に、最後まで……ヤっちゃって、いいの?」



 えっ……!



 紫音じゃない!!






 男性、だけど。

 紫音とは似つかないその声に。

 わたしは、夢見ごこちだった目を無理やり開いた。

 そして。

 現実の状況に、息をのんだ。




「……佐倉……くん……!」




 そう。

 わたしを抱きしめていたのは。


 ……狂おしいほどに、切なく。

 わたしのカラダにくちづけていたのは。




 ……佐倉君、だったから。
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