危険な誘惑にくちづけを
「ホストの彼氏に、散々抱かれて、敏感になっちゃった?」

「……!」

 佐倉君のどきっとするような言葉に、声も出なかった。

 戸惑っているわたしに、佐倉君は、追い討ちをかける。

「春陽ちゃん。
 実は、セックスの続きがすごくしたいんじゃない?
 春陽ちゃんが自分から『入れて』って言ってくれれば。
 もっと気持ち良くしてあげるけど、どうする?」


 そんなコト!


 考えるまでもないじゃない!

 わたしには、紫音が、いるんだから。

 例え、本当はカラダが疼いていても、紫音は、絶対、裏切れない。

「イヤよ!
 それより、放して!
 わたしが、佐倉君を本当にキライになる前に……!」

 わたしの言葉に、佐倉君は、ふうん、と目を更に細めた。

「……こんなにされても、まだ、オイラのこと。
『本当にキライ』なワケじゃないんだね……?」

 佐倉君は、そう、勝手に解釈して、笑う。

「……オイラ、女の子を無理やり抱いたり。
 意識のないコを、こっそり犯すのって……あんまり好きじゃないんだ」

「……これ、は違うって言うの!?」

「だから、聞いているんだろ?」

 必要なら、ためらわないけど。
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