怖がり少女と吸血鬼


あたしも、自己紹介した方がいいよね。

「えっと、冴木柚子です。よろしくお願いします…」


「おい」

「はい?」


ふいに黒沢くんが、あたしのベッドの近くに歩み寄る。

それだけで、自然にあたしの体が強ばってしまう。


そして、緋色の瞳でそんなあたしを見つめながら、言う。


「お前、そんなに俺たちが怖いのか?」


「え…」


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