天使になれなかった。


シャボン玉が詰め込まれた袋を両手で抱えて無人工場の屋上へと続く階段を駆けあがった。





空は透き通るような青。

吸い込まれてしまえば
どんなにキモチイイのだろう。


ひとつだけみえる人影。



──凛羽だった。




< 113 / 145 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop