天使になれなかった。


それから一時間、二時間……と終わっていき四時間目のチャイムが鳴ったとたんにみんな解放感たっぷりの顔になる。


昼休みは友達と机をくっつけてお弁当を広げて、談笑しながらすごす……

なんてことあたしがするわけもなく、自分の席でコンビニで買ってきたパンをかじっていた。


「手嶋さん」

顔をあげると、うちのクラスの仕切り屋…気の強い顔をしたクラス委員長が、胡散臭い笑顔でこっちをみていた。


「あたしたちと一緒にお弁当食べようよ」


正義感たっぷりの顔。
友達ができずにひとりで食べる可哀想な子はほっとけませんって?




「……遠慮しとく。てゆうか…ほっといて」



そう吐き捨てると委員長は顔を歪ませツンと背をむけて、ずっとこちらの様子を伺っていた友達の方へ去っていった。



「なにあれー!感じわるーい!」
「せっかく入れてあげようと思ったのに!」

一部始終をみていた委員長の友達がこちらをチラチラみながら小声で話す。



あたしは気にもとめない様子で食事を続けた。


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