不器用なLOVER
「…つまり俺1人が巧く立ち回れば問題ねぇってことかよ」

「朋弥なら出来るでしょ?」

「俺は説明さえしてくれりゃ…。けど透弥の大事なお姫様は違うんじゃねぇの?」

朋弥さんのニヤリと笑う目が私を捉えた。

つられる様に透弥さんの視線も、私に移動する。

「晶…ごめん」

一通りの説明を終えた透弥さんに返す言葉も見つからず見つめる。

「晶ちゃんまで騙すなんてひでぇよな!」

朋弥さんの冷やかしに

「朋弥は口を挟まないで」

声も荒げずにたしなめ。

「思い付きの言動だったから…。成功する確証もなかったんだよ。言い訳にしかならないのは分かっているけど…朋弥との電話が僕の一人芝居だと知られた時に晶まで巻き込みたくなかったんだ。
結局、晶に嘘を吐いていたことに変わりはないけどね…」

目を逸らすことなく告げる。

「でもそれは私が無理なお願いをしたからなんでしょ?
私が頼んでいなかったら透弥さんをそんな風に追い込まなかった」

「違う!それは違うから…。
晶が望む事は…僕の望みなんだ。晶がそうしたいと思うなら僕は、それを実現するだけだ」

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