駄菓子屋松金 ─マツガネ─
話に付いていけない常磐は会話に首を突っ込むことにした。
「ちょっとちょっと。何、この子隊長さんなの?つーか何者?」
すると、少女はニヤリと口元だけで笑った。
「わしゃ愛国護民特別刑務部隊隊長・又傘麗雨《さのがさ レイン》。愛護の中では五本指に入る偉い人だべよ」
「………マジレンジャー?」
常磐がポツリと呟くと、麗雨は頷いた。
「また困ったことが有ったらお巡りさん呼びんさい。わしゃいつでもこの辺散歩しちょるでよ」
「いや、巡回って言いましょう。サボりだって思われちゃいますから」
どこか自慢気な彼女に対し、情けない表情の部下はツッコミを入れている。
つーかサボりだって思われちゃうっていうか、完全にサボりにしか見えないんだけど、と常磐は思う。
半ば引きずられるように、麗雨はその場から去っていった。
「………何アレ」
常磐は300円を握り締め、ボンヤリとしたまま呟いた。