キミのとなり。


「おばあちゃん、大丈夫かな……?」


今日も満員電車に揺られ、学校に向かう。


「……大丈夫だよ、きっと」

修ちゃんの笑顔に、少しだけほっとした。


トモは……今日も相変わらずだ。



「修ちゃん今日、ご飯一緒に食べる?」

「……や、今日はちょっと帰りが遅くなると思うから」

「そうなんだ?」


……一瞬、修ちゃんが“悪い顔”をしたような気がしたのは……気のせいかな……。


「智明、起きろよ」

つり革に寄り掛かるように寝ていたトモを起こして、修ちゃんはドアの方に向かった。


「んぁ?」

まだ半分寝ぼけているようなトモの背中を押して、私も修ちゃんの後を追う。



「智明にもそう言っといて」

修ちゃんはトモの肩をぽんぽんと叩くと、唇の端を持ち上げて笑った。



「言っといて……って何が?」

「今日ご飯一緒に食べる? って聞いたら遅くなるから、って」

「……」


それを聞くとトモはなぜか、眉間に深い皺を刻んだ。


「修ちゃんってさ……」

「あ?」

「たまにああいう顔、するよね」


「ああいう顔って?」

「悪い顔っていうか、意地悪な顔っていうか……」


私がそう言うと、トモは驚いたように目を丸くした。


「……何? 何かおかしなこと言った?」

「いや、何でもない……」

「何でもないって顔じゃなかったし!」

「何でもねーって」


そんな言い合いをしているうちに、降りる駅に着いた。


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