私の夫は王になれない俺様
「イザベラは今、眠いか?」

ロバート様が私の髪に触れた

男の人の手って大きいんだね

恋人のジェイミーの手も、大きかった

ジェイミーは身体も大きかったから、とくに何も思わなかったけど

ロバート様の手は、なんか…ジェイミーとは違う

詳しく、ここが違うって言えないけど、でも違う

細いのに、しっかりしてて…それでいて大きい

職人のごつごつした手とはかけ離れているのに、力仕事をしている人みたいに節々が固くなってる

「眠くない」

「なら、話をしようか
ハイランドとはどういうところだ?」

ロバート様がブーツを脱ぐと、私のベッドに足を入れてきた

大きな枕の一つとクッションのように背中に入れると、腕を組んで前を見た

「ハイランドですか?」

「ああ、イザベラが育ってきた環境を聞いている
イザベラを知る道しるべの一つにはなるだろ?」

「そうですね
寒いところです
一年のほとんどが雪でおおわれていて、夏なんてちょっとしかないんです」

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