三日月の雫
「えーっ?飲み会!?」
村岡が誘ってくれた飲み会の当日。
飲み会に行くことを切り出した僕に、かんなは思い切り不満そうに言った。
「何時に帰ってくるの?どこで飲むの?女の子も来るの?」
不満が爆発したように、捲くし立てるように聞いてくる。
「…何時になるかは分からない。場所はどっかの飲み屋。まだ決まってなくて、適当にどっかの店に入ろうってことになってる。…女の子はいないよ」
ひとつひとつにきちんと答える。
何時までという時間以外は、すべて嘘だった。
かんなに対しての責任は感じている。
啓介さんに対しても。
だけど、僕だって意思を持つ一人の人間だ。
勝手かもしれないけれど、すべてから解放されたい時だってある。