ラビリンスの回廊


お互いに話した情報を整理するためか、しばらく黙りこくっていた玲奈たちだったが、ぽん、とルクトが手を打った。


「じゃあ、一緒に行けばいいんじゃね?」


玲奈がガバッとルクトの方を向き、睨み付けた。


「あ゛?」


「や~、だって。
行く方向一緒だし。
俺一人で女の子二人守るのしんどいし」


そう言いながら、ルクトはちらちらと玲奈を見る。


そして本当に小さな声でもごもごと口の中で言った。
玲奈ちゃん面白いし……と。


幸いそれは玲奈に聞こえず、そのままルクトの喉の奥に消えた。


「私は反対です」


エマが玲奈を見つめ、玲奈は「あたしもやだ」と言った。


「俺も……」

いやだと言いかけたイシュトに、ヴァンは何事か囁く。


すると一瞬にして顔付きが変わり、なんとも言えないないまぜの顔になる。


そして渋りながら「いい」と短く言った。


そのあとヴァンがにこやかに「ご一緒に」と言ったことで「ほんじゃ決まり!」とルクトにしめられてしまった。



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