一瞬のきらめき。

高鳴る心。

私と陸が別れたことは、あっという間に学校に広がった。







みんな恋愛に敏感だ。







陸は私と別れてすぐに他のクラスの子とつきあった。







私は嫌いで別れたわけではなかった。







陸に対して寂しい気持ちは少しあった。






今度こそちゃんと向き合わなきゃ。








陸と別れてから約半年。







夏が終わって少し涼しくなった季節。







私はただ憧れるだけでいつも遠くから翔を見つめていた。











そんなある日の放課後…。







私たち英語コースは3年間クラスが一緒なので、2年生になってからも仲が良くて帰りのHRが終わってからも教室に残ったりしていた。







毎日だらだら友達と過ごす時間も楽しい。






私はというと、春から家の近くのコンビニでバイトを始めた。







バイトまでまだ時間があった私は同じクラスのひとみと話していた。







席が近くなってから話すようになった。






ひとみはノリが良く、よくしゃべる。







明るくて、パーツがハッキリとした顔立ちでスタイルも良かった。







友達も多くて、いつも誰かと恋をしていた。







私は机にもたれて化粧を直しているひとみを見ていた。







「あーー…そろそろ彼氏欲しーわーー。」






私も街で浮かれてはしゃぐバカップルの一員になりたい。







なにもない夏が通りすぎて私は少し腐っていた。








青いアイシャドウをまぶたに重ねながらひとみが言った。







「そんなら男紹介するよっ!くるみどんなんタイプ?イケメン好き?あっ陸はイケメンじゃないかっ」







高い声で大笑いしながらひとみが言った。






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