AEVE ENDING





『奴は恨んでいるだろう』

―――何故?

『秘密はまだ、あれのなかに、在る』

そんな大層なことを言われるような人間でもないのに。


『雲雀!』

(あの馬鹿みたいな眼の中で、なにを考えているのか見当もつかない)

ただひたすら明るいだけの、ふざけた眼、なのに。



(その眼に、僕への殺意が込められたなら、)

あの小さな手が、僕の皮膚を突き刺そうと向かってきたなら。

あの華奢な脚が僕の脚を折ろうと向かってきたなら。

ならば。



(―――僕は…、)


そうして自問して答えが返ってこなかったのはどうしてか、雲雀にも理解できなかった。

この不満や不実を匂わせる欲求は、どこからくるのか。


(あぁ、鬱陶しい…)


なにもかもが、すべて。






< 376 / 1,175 >

この作品をシェア

pagetop