AEVE ENDING
「…、」
そうして終わりは、突然。
ババババババババッ。
「うわ!?」
耳を割くような、否、覆われてしまうような轟音が辺りに響き渡った。
雲雀に抱き締められる形で立っていた倫子は、肩越しのそれに目をひん剥く。
「煩い…」
倫子に言ったのかソレに言ったのか、おそらく両方だ。
不機嫌極まりなく吐き捨てた雲雀は、眉を寄せて肩越し、そちらを振り向いた。
轟音は未だ辺りを震撼させ、なにより沸き上がる風が凄まじい。
今にも吹き飛ばされそうな状態で、雲雀の腕に慌てて掴まった。
目の前に現れたそれは、エーガのなかでしか見たことがない―――寧ろエーガフィルム自体珍しいものだが―――ヘリコプター、とかいう空飛ぶ機械にそっくりだった。
巨大なプロペラが巻き起こす風に目眩を感じれば、雲雀が腰を抱えるように腕を回してくる。
固定するよう柱に抑えつけられながら、ゆらゆらと宙に浮き、こちらを窺っているらしいその機体を見つめた。
目が覚めるような赤と青のペイントの中央に書かれた白文字。
「U、S、A…」
どこかで聞いた名称だ。はて。
「馬鹿だね、米国だよ」
「あーそうかそれか、…え?」
テレパスで読まれた頭の中で再び疑問が沸き上がる。
―――米国?
つまり新交流合同セクションの留学グループとなにか関係があるのだろう。
「来日はまだ先じゃなかったっけ?」
首を傾げた、その時だった。
「ハロォオオ!エブリバディ!」
ガシャーン。
拡声器でも使っているのかと疑うほどの大声が辺りに轟いた。
プロペラ音などものともしないそれは倫子達だけでなく、恐らく西部箱舟中に響き渡ったことだろう。
ガラスが割れた音がしたので間違いない。
「ニッポンの皆さん、元気デスカー!?アメリカ合衆国からやってきましたあ、チーム「マリア」でえす!ヨロシクー!」
緩くカールした金髪を巻き上がる強風でワカメのように閃かせながら、ひとりの男性がヘリの扉を蹴破りそうな勢いで挨拶してきた。
しかし、こちらにではなく、恐らく西部箱舟全体に向かって。
ベルトを締めたまま、両手を広げ馬鹿みたいなコンニチハポーズ。