AEVE ENDING






「はーい、みちこもやめー」

ぽす、奥田に頭を叩かれた。

「全くもう、気持ちはわかるけど少しは大人しくしなさいよ。ただでさえ評判悪いんだからね、倫子は」
「うっせーよ」

心底から呆れているらしい奥田に、元々の原因はお前だろ、と悪態をつかずにはいられない。


「ほら、早く誰と組むか決めて決めて。今日の授業はタイマンですよ。あ、真鶸くんと組むのはナシね。君ら絶対本気でやりあえないから」

手を叩きながらこちらを促す奥田は、言いながらふらり、視線を周囲に泳がせた。

訝しむ倫子をよそに、すう、深く肺に空気を送り込む。

そして。



「はーい!橘倫子とタイマン勝負したい人!この指とーまれー!」

それは有り得ないほどの大声で叫ばれた有り得ない台詞だった。


「な…!?」

当然、倫子は驚愕するしかなく、遠目で確認した雲雀なんぞは心底から愉快そうな笑みを湛えている。

奥田の言葉を聞き付けた不特定多数のアダム達の眼が、怪しく光った。



―――タイマン。


とはいえ、私的な喧嘩ではない。

授業である。

気に入らない相手を正当な理由でボコることができる最高の機会だ。

アダムの授業に怪我は付き物。
タイマン中ならば例え相手を再起不能にしたとて不慮の事故を装えば罪には問われない。


―――この箱舟でアダム達が共通して気に入らないもの。

タチバナミチコ、彼女以外に存在しようか!






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