AEVE ENDING
しかし、一直線に突っ込んでくる。
―――ならば。
「…っ耐えろ!」
加速に乗っ取りとんでもない速さで顔面に繰り出された右ストレートを構えた両手で受ける。
ご丁寧にも圧力を掛けられたロビンの右拳は力の壁を張った両手すら、簡単に打ち砕いた。
…バキリ。
重圧に負けて足下が崩れる。
何倍にも増した自重により床を突き破り、そのままクレーターと化した床に押し潰された。
「っ」
直ぐ様、離された拳は再びこちらを狙っている。
肌に痛いほどに囁く高い能力のアダムの気配が、今は有り難かった。
膝を着いた状態で、衝撃に揺らぐ視線をさ迷わせ探す―――が、眼球がその姿を捕らえる前に左頬に傷み。
「、…っ」
跪いたままの状態で、真横に蹴り上げられた。
空中を一直線に吹っ飛んだ体は呻く暇すらなくアダム達の壁に突っ込む。
ミシ…ッ。
相当な衝撃が背骨に容赦なく掛かる。
ただでさえ脆い脊髄が悲鳴を上げた。
切れた咥内。
広がった血に吐き気を覚え。
「…!」
ズルリ。
背後にいたアダムに髪を掴み上げられた。
力の入らない脚は役に立たず、ただその髪を支点にゆらり、人形のように立たされている状態。
「早く死ねよ」
皮膚と毛根が悲鳴を上げ、ぶちり、ひきちぎれる音がした。
耳元に囁かれた言葉に、狂気が増す。
ぶれる視界に、ロビンがこちらに向かって歩いてくるのが見えたが、おまけのように辺りをちらつくアダム達が疎ましかった。
にこやかな笑みを浮かべる者、侮蔑を露にする者、厭らしく目を細める者。
愉快だと、嗤う。
「いつまでも足掻くな」
「無駄なのに」
「あんたが生きてるだけで不愉快なのよ」
「死ねばいいよ、」
ラ ク ニ ナ ル カ ラ 。
(ノイズが、止まない)
…ズブリ。
肉の感触に視界がクリアになる。
今しがた感じた気色悪いそれは、指先に感じたもの。
「…っきゃぁあぁっ」
奥歯がキンと鳴るような高い悲鳴が耳を塞いだ。
髪の根本を拘束していた男の胸に、腕が喰い込んでいる。
自分の手が血に濡れる瞬間は、いつも。