AEVE ENDING








「彼は新人類の神となるために産まれた―――。我々の神じゃない」


その系譜は。



『ヒトは傲慢すぎる。…いつか、滅びるだろうね』

普段の玲瓏たる面影に少しの、ほんの少しの物悲しさを浮かべ、そう吐露した、あの人は。




「あれは化物だ。タチバナミチコが彼のレプリカとすれば、それは、」

悲鳴。

「…っ、あれの話はおやめください!貴方はあのバケモノを贔屓し過ぎているのです。…な、なにより、貴方は、っわたくしよりずっと、あのバケモノを、愛し、て」

カシャン。

硝子が弾ける音がした。


(倫子、さん…)

―――バケモノ、レプリカ。




『あんたはもっと、愛されるべきだよ、雲雀』

そう優しく、けれどやはり悲しげに囁いたあの人は、兄と同じ顔を、していた。


(倫子さん…兄様、レプリカ)

パーツが繋がらない。

…繋げたくない。

なにもかもがちぐはぐに浮上して、絡みつかない。




目眩…、。







「なにもかも間違いだったんですわ。あの娘を雲雀さんの代わりに実験体として差し出したことが、なによりの間違いだったのよ…!」

悲鳴が聞こえる。
心底からの、懺悔と後悔。

(実験体、レプリカ)



「あの娘を見初めたのはお前だろう!あの娘はただの犠牲者だ。犠牲になった者が、バケモノと化しただけのこと!」


バケモノ、バケモノ、バケモノ、バケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノ…、バケモノ!





誰が?


(倫子さんが)


何故。


(兄様の、代わりに)


差し出された?






『生きるな』

宣告されたそれは誰の記憶だろう。

『なにより我々に必要なのは、化物ではなく、神だ』




―――では神は、誰?






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