執事の名のもとに
新鮮な空気が身体に入る。
会場を見に行こうと車椅子を動かした。
昨日の今日にもかかわらずなかなか上手く動かせるようになった。
角を曲がった時前から見慣れた姿が見えた。
「美優!!」
そう呼ぶと俺に気づいたのか笑って近づいてきた。
「晴馬、聞いたわ。怪我したんだって?大丈夫なの?」
「ああ、この通り。」
そう言ってはみるも、明らか車椅子じゃ大丈夫とはいえない。
「足だけなんだよ、怪我したのは。」
と付け足しておいた。