執事の名のもとに
「あっ…ごめん。気が利かないで」
そう言った勝の顔は少し疲れてるように見える。
最近一番忙しかったのは勝だったし、俺のせいでもありよな…。
「いや、勝も劇で疲れてるのに海琉を運んだりして…。俺が運べれば良かったんだけどな。」
「そんなことねーよ。晴馬、海琉任せていいか?」
といきなり立ち上がった。
「ああ、いいけど…。」
「じゃあ俺、舞台戻るわ。片付けしなきゃだし。」
「そうだよな、海琉のことはちゃんと見とくから。」
勝はもう一度海琉を見た後、音を発てないように出ていった。