銀鏡神話‐翡翠の羽根‐

感じる……

また此の感覚だ。

昔も味わった此の感じは何処でだったか……






『騙していたのね? 金太。』

『違う!

仕方が無かったんだ!!』






『何で……何でよ!!』

『落ち着け美紗!』

『間口……何で此の人が……母さんを……?』







“裏切り”

此の世界中の生き物は、黒すぎる。

消さなきゃ。

「あ゛ぁ……

あぁぁぁあああ!」

「ミサ!!」

美紗の躯から、淡い銀色の光が舞い溢れる。

其れは次々と周りに有る木々や、草花を灰にして行く。






「……解ってるじゃないか白江様。

貴女が望めば望む程、ボクの失った物が還ってくる。

続けろ、望め!!」






「!!」

「どうした? 忍?」

「彼の時と同じ……

美紗が支配力を開花させた時と……

……美紗、飲み込まれないで……負けないで!!」






「な、なによ!

ウィオからの報告では、こんな能力聞いてないわ!」

茶亜夢は白銀界を解こうと、詠唱をする。

然し悉く其れは跳ね返る。

「人を騙すのがどれ位の罪にあたるか、知ってる?

騙されるのは信じたからなのよ。

……貴女のした事は、裏切り……最低な事。

だから、私が貴女を裁く。」

美紗は瑠璃色の短刀を、茶亜夢に突き付けた。

茶亜夢は駆け足で逃げる。

「しっ知らない!

わたくしは何も知らない!

こ、来ないで!」

茶亜夢の叫びも呆気なく途絶えた。

美紗が突き付けた短刀は、茶亜夢の喉をかっ斬った。

「ヴェ……ルディ様……

助け……」

最後の茶亜夢の声を封じ込めたのは、ヴェルディだった。

白銀界から出たヴェルディは、
茶亜夢を紫雷の水晶に閉じ込め指を鳴らすと、
瞬く間に水晶は割れ弾き、茶亜夢も粉々に成った。

床に降り注いだ蒼色の液体が茶亜夢だと思うと、かなりゾッとする。
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