ダーク&ノイズ
そのころ、手がかりをつかむために、二人の刑事は奔走していた。

川田は自分の勘を信じて近所の聞き込みを、そして進藤は資料室で徹夜をしたあと、いまはインターネットで何かを探している。

(そんな、昔話なんてのってるわけないよなあ)

なかば諦めながら、関連する事項を入力しては探しているが、さすがになかなか出てこない。


目的は『お凛』に関するものだった。


噂話などは出てくるが、もう少し現実的な資料が欲しかった。

そんな中、しきりにマウスを動かしていた手が止まった。


随分昔の新聞記事を抜粋したものだ。


『お凛ノ呪イ? 住民参百人余死亡、又行方不明』


そう書かれた記事の年月日を見ると、明治20年となっている。

(思ったより近い年代だな)

江戸時代より以前の話とばかり思っていたが、近代にお凛の名前を見つけたことに、進藤は意外に思った。


『○月○日。○○村ノ住人ニ多数ノ死者有。其ノ数参百人ヲ超エル。軍部当局ニ依ル調査ヲ開始。住人皆お凛ノ呪イト謂ウ也。当局是ヲ否定スルモ、犯人ヲ特定デキズ……』


実際にこの地で大量殺人と行方不明者が出る事件が起こったのを確認した進藤は、背筋に冷たいものが走るのをとめられなかった。


さらに


『釘ヲ打ツ音ヲ聞クト死スル也』


その一説を見つけると、その信憑性に唾を飲み込んだ。


(ウソだろ)


さらに、その記事にはいくつかのコメントがつけられている。その中で、こんな一行を読んで失笑した。


『この呪いって、呪った相手を殺すしか助かる方法がないんだって』


(んな無茶苦茶な)


さすがにこのコメントには呆れるしかない。



が、もしも本当にこの事件が怪奇現象によるものだとしたら、もう警察の管轄とは言えない。

しかし、実際に行方不明者が二人も出て、その被害が広がりそうだとすれば見過ごすわけにもいかないだろう。

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