ダーク&ノイズ
振り返り、その夫婦に質問をひとつした。

「お嬢さんは、高校生ですか?」

「はい」

母親はすがるような目つきだ。

「もしかして──」

進藤が悠美たちが通う高校名を挙げると、母親は

「以前通ってましたが、いじめに遭って退学しました」

そう答えた。

「ちょっと、詳しくお話をお伺いします。こちらへよろしいですか?」

進藤は胸騒ぎを大きくしながら、その両親をカウンターのなかへ促した。



川田はこのとき、偶然にも悠美たちの通う高校へと、再度足を運んでいた。

悠美たちを恨んでいる者の線をたどっていくと、どうしてもいじめを受けた人間が多数挙がってくる。


すでに退学したものも何人かいる。


その事実関係の確認と、なにか情報をつかめればとの希望もあった。

「ですから、何度も申し上げますように私どもでは確認できてないもので」

「そんなはずは無いでしょう。現に父兄からも苦情があがってますよね」

校長は、冷房が効きすぎた部屋にもかかわらず、汗を拭きながらそしらぬ顔を通している。

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