ダーク&ノイズ
聞き込んだなかで挙がった、いじめを受けていた生徒の名前をひとつひとつ挙げてみたが、校長の答えは知らぬ存ぜぬの一点張りだ。

「あのですね、病院からの診断書もあるんですよ。いいですか──」

言いかけたそのとき、携帯電話の呼び出し音で話を中断した。鳴っているのは自分のジャケットの中だ。

「ちょっと失礼」

相手は進藤だった。

川田はその携帯を耳にあてると、校長への怒りをそのまま通話口へぶつけた。



進藤はしばらく携帯を耳から離しておさまるのを待つと、改めて新たな情報を伝えた。

事件は急展開を見せているようだ。


しかも、かなり危険な方向に。


『で、その家を出る前にかかってきた電話、発信元の調べはついてんだろうな?』

「いや、それが。裏携帯ってやつですね。特定できてません」

闇サイトなどで流通している、身元不明の携帯電話だ。

『そいつは友達の名前をかたったんだろ?』

「そうです。共通してるのは、全員例のグループにいじめや暴行を受けていたということですね」

『よし、いまちょうどその高校に来てる。そのかたった名前を教えろ』

川田は手帳にその名前を書き連ねると、校長に向き直った。

「この中で、在籍しているのは誰ですか?」

今度は言い逃れは許さないという強い語気が含まれている。

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