トドケモノ 【短】
…なんで?
なんで?なんで?
………なんでなの?
突然のことに頭がついてこなくて、あたしは彼が消えた喫茶店を覗いた。
時刻は6時30分。
早めになんて、来なかったらよかった…。
あたしは、心の底から後悔した。
彼は座っていた。
喫茶店の奥に、
……綺麗な女の人といっしょに…。
その光景を見て、やっとあたしは理解する。
…なんだ。そうだったんだ。
あたしは既に、彼にとって負担だったんだ。
彼は、浮気してるわけじゃない。
あたしが……浮気相手だったんだ…。
居ても立ってもいれなくてあたしは走ってその場を離れた。
それから、どうやって帰ったのか、記憶がない。
わからないけど、気づいたらあたしはベッドに突っ伏して泣いていた。