トドケモノ 【短】
もう、解放してあげよう。
…あたしがいたら、彼は浮気してることになる。
……彼と、カノジョさんの邪魔、できない。
暗い部屋にケータイの光りが眩しい。
腫れぼったい目でゆっくりメールを作成する。
一文字打ち込むごとに涙が溢れてくる。
今までありがとう。
いっぱい迷惑かけてごめんなさい。
あたしのことは、忘れてください。
「っ…ふ、…うぅ〜…っ!」
やだよ。
やだ。
さよならなんて、したくない。
忘れてほしくなんかない。
ずっとずっと、傍にいてよ…。
こんな状況になっても、そう思ってしまうあたしはやっぱり我が儘なのかな…?
そしてあたしは、
送信ボタンをおした。