トドケモノ 【短】
たいくつな講義。
あたしは、さっきからケータイを眺めていた。
さっき朱里とあんなこと話したから、
なぜか、彼に無償に会いたくなってしまった。
……メール、してみようか?
そう決心し、あたしは彼にメールを送信した。
今夜、会えませんか?
…って。
びっくりすることに、今まで史上最速なぐらいすぐに返事がきた。
休憩中だったのかな?
震えるケータイ、受信ボックスをゆっくり開いていく。
7時にカフェで。
自然と笑みがこぼれた。
まだ、わかんない。
ドタキャンされるかもしれない。
だけど、まだ、とりあえずオッケーをくれた事実が嬉しかった。
まだ、捨てられてはないんだ。そう思えたから。