クリ-ミ-ココア
「そう言えば比奈ちゃん、あれから大丈夫?」



落ち着けずソワソワしている私にソウタ君が口を開いた。


真っ正面に座るソウタ君を見つめる。



「まぁ…この教室が1番安全みたい。」



ここなら皆同じような目立つ服装だし。


私の言葉に安心したような優しい瞳になるソウタ君。



「ちびっ子が誘ってるような格好してるからだ!!」


「だから誘ってません!」


空気の読めないアキラさんを軽く睨む。



「けど、比奈さん目立ってますよ。」


「……ですよね」



後輩君の哀れむ目に今日は教室から出るのをやめようと思った。



この場所から一歩も出ないんだから。


この着物を着ている限り、ココが1番安全安心。


外に出るよりましだよ。
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