アリスの作り方
「落ち着いた?」
しばらくして私の鳴き声が落ち着いた頃に、作り笑いをしながら王子が尋ねた。
「うん」
「ほかに話すことは?」
「もう……ない」
本当に聞いてくれるだけなんだ……。
もしかしたら励ましの言葉の一つもくれると思って期待していた。
励まされたら優しくしないでなんて思うけど、それでもこの呆気無さはなんとも言いがたいものだった。
「嘘つき」
わざとらしい低いトーンの声が静寂の中に響いた。
「どうして……」
「ほかに何か隠している」
私の目を見つめながら無表情のまま言う。
彼の赤く澄んだ目がとても綺麗で、飲み込まれるようだった。
「どうして」
別に期待しているわけではないが……。
彼が私に何か言葉をかけてくれるのを待っていた。