アリスの作り方
「忘れた?」
自分の名前を忘れるなんて事があるのだろうか?
ジョーカーさんといいここの住人は記憶喪失が日常茶飯事なのだろうか。
「少し長い話になるけど構わない?」
私にわかるように説明してくれるらしい。
どうやら感情がないぶん人の表情の変化には敏感なのか、私が理解していないことを理解したらしい。
「構わない」
どうせ戻る場所もないし、あったとしても戻りたくはないが……。
そしたら王子の隣にいてもいいだろう。
“あなたは救世主よりお姫様の方がお似合いですよ”
今の私はお姫様みたいなのだろうか?
何となく以前言っていた、ビルさんの言葉とそんな疑問が頭に浮かんだ。
そんな私に対して王子様はと言うと、相変わらずの無表情で私の事を見つめていた。
「そう……それは僕が9才位の時……僕の両親が女王に殺された」
王子から発せられた言葉は私には理解しがたかった。
……ありえない話だ。
それなら何故女王の義理の息子なの……。