アリスの作り方

「僕もわからない。けど……。」
「けど……。」



「僕が時の番人の候補だったら……僕を捕える意味があるかもしれない」


曖昧な言葉でお茶を濁すように話す王子。
たぶん真実は女王のみ知るのだろう。


何とも煮え切らない話だ。


「そうなの……あなたはこの話を聞いて……。」


どう思うのと言いかけそうになったが途中で止めた。


だって彼には感情がないのだから。

これがとても切なくて苦しい事とは分からないのだから……。


「ごめん」


その代わりに出た言葉……




彼に対してひどい事を言ってしまったから。


「どうしてあやまるの?」


感情なんてない王子様は私の言っていることはやっぱりわかっていないらしい。


「あなたにひどいことを言ってしまったから。たとえあなたがどう思っていなくてもあやまりたいの」


気にしないでと、微笑もうとするが上手に笑えずにぎこちなくなってしまった。




< 176 / 293 >

この作品をシェア

pagetop