アリスの作り方
「そうなの」
そんな私の態度をとろうがとらまいが全く気にしていないらしく、無表情でそう言い切る王子の様子が痛々しかった
“女王によってこの国は狂わされた”
そんな王子を見ていると再び前に言っていたビルさんの言葉が頭の中に現われる。
王子もその犠牲者なんだ……。
王子も女王によって全てがおかしくなってしまったんだ……
本人が気付いていないだけで……。
私がこんな風にいじけていたら、彼は一生このままなんだ。
誓ったはずだ……元に戻すと
元に戻ったら
死んだ人まで生き返られないかもしれないが、王子の心は戻るかもしれない……。
頭の中にそんな考えが浮かび、思い切り涙を拭った。
「どうしたの」
「やらなきゃいけない事を思い出したから」
そう……私はこんな所で泣いていてはいけないんだ。
例えアリスがたくさんいようと、王子様を助けることが出来るのは今は私一人なんだから。
「そうなの……頑張ってね」
これは敵としてはどうなのだがわからない台詞だが、そう言いながらふわりと優しく頭を撫でた。
「うん」
その温もりがとても心地よく、もう少しお姫様でいたいと思ってしまった。