アリスの作り方
「私も……言い過ぎた」
私は甘いのかもしれない……けれどそれ以上に私は彼らに惹かれていた。
「だから……これから名前を呼ぶんなら許してあげるよ。ビルさんも」
けど私の性格はひねくれているので、素直に許してあげることが出来ず、目線を反らしながら言うと、今まで泣いていたティックが華の様に明るい笑顔に変わった。
「ありがとうございます。ル……ルイ様」
可愛らしくお礼をすると私の目を真剣に見つめた。
なんか言い辛い事なのか、あの……そのなんて口をもごもごさせている。
「その……あの……ル……ル……ルイ様は僕にとってアリス様以上の存在です。僕はあなたを守れるほど強くないです……だけど僕にあなたを守らせて下さい」
覚悟したように深呼吸した後、少し頼りない表情で言った。
けれど……
その口調はとても心強いもので、私はその言葉に不覚にもドキドキしてしまった。
「うん」
「あなたにもう哀しい表情をさせないと誓います」
私の手を握りながら真剣な表情で言う彼に、普段感じない男らしさを感じた。