アリスの作り方


「ルイ様」


ティックとの話が一区切りすると、今まで黙っていたビル様に声を掛けられた。

ビルさんのような大人の男性にそんな風に言われてしまうと、少し戸惑いのようなものが感じられる。


「はい」
「私もルイ様とお呼びしてよろしいでしょうか?」


私の手を取るとひざまずく様にしゃがみ私と目線の高さを合わせた。


「は、はい」


寧ろルイと呼び捨てでお願いしたいです。

なんというか、執事の様なビルさんに様付けなんかされるのは少し気恥ずかしい。


「私はあなたが自分達の家族の様に感じています。寧ろ家族になっていただきたいと思っています」


確かに……

ティックは私より年上だけど弟、ビルさんとここにはいないがドードさんはお兄さんの様だ。


「確かに……こんなお兄さんたちがいたら楽しいです」
「そうですね……今はお兄さんですね」


ビルさんが何か含みのあるような言い方をするが何を考えいるのかわからない。

それでも絶やさずに私に向ける笑顔が優しくて、そんな事はどうでもいいと感じた。



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