アリスの作り方
「けど……?」
なんでだろうとクロノスさんを見ると、クロノスさんが苦笑いをした。
「僕がお姫様で、ルイが本当に王子様だったら、僕を迎えに来てくれる?」
捨てられた子犬のような表情の彼を見ていると、男の人に言う台詞ではないがそれがとてもかわいくてキュンと言う音が胸の中から聞こえてくるようだった。
「白馬に乗って助けに行くから」
そんな風に言われて、そう少しだけ気障っぽく言ったら、少し恥ずかしくなってえへへと笑うとクロノスさんが優しく微笑んだ。
「まっています。王子様」
そう言いながら、王子様は私の頬にキスをした。
もし次に生まれ変わったとき、私が王子様であなたがお姫様だったら……。
また違う国、違う世界に住んでいても、絶対に迎えにいきます。
だから、あなたも待っていて下さい。

