星屑
「それって顔ってこと?」


樹里は眉を寄せた。


すぐに違うってー、と大地くんが訂正するが、彼女はあまり納得していない様子で腕を組む。



「奈々も何か言いなよ。」


「…あたし?」


急に話を振られ、焦ったように顔を向けた。



「別に、他人の第一印象ってほぼ顔じゃない?
だからしょうがないことでしょ。」


言うと、勇介だけが大爆笑をした。


樹里は呆れた様子だが、沙雪が口を尖らせる。



「じゃあ、ブサイクって損じゃーん。」


「さゆはブサイクじゃないでしょ。」


樹里が言った。


大地くんもそうそう、と言って、沙雪はそんなことないよー、と言いながらも照れた様子だ。


お世辞なのか本心なのかは知らないが、大地くんってのはやっぱりあたしには、どこか軽薄そうにも見えた。



「勇介は?」


「んー、俺よくわかんない。」


「うわっ、それ卑怯!」


大地くんが声を上げる。


こんな時でもあたしと勇介は大した言葉を交わすわけでもなく、まるで他人のようだ。


多分あたし達は、お互いどんなのがタイプだろうとあまり興味はないのだろう。

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