星屑
数センチの距離にある、ヒロトの顔。


傍目から見れば、きっとキスをしているようにも見えるだろう。


思わず身を固めてみれば、彼はすっと顔を引く。



「しねぇよ、バーカ。」


心臓に悪い男だ。


と、いうか、やっぱりあたしには、危機感というものが欠如しているのだろう。


てか、コイツにしても勇介にしても、無意味に顔を近付けないでほしいのだが。


ぺしっと叩くと、痛ぇだろ、とまた怒られた。



「変態男。」


「馬鹿女。」


「金髪ー。」


「それ関係ねぇだろ。」


睨まれたから、笑ってやった。


笑ったら、ヒロトはふと真面目な顔になり、視線を外す。



「なぁ。」


「ん?」


「お前、俺のことどう思ってる?」


人の声も、流行りの音楽も、どこか遠くに聞こえた気がした。


ヒロトとこうやってるのは楽しくて、でも好きかどうかなんてよくわからない。


ただ少し、勇介と似ている部分に戸惑ってしまう。


沈黙が続いた後、



「やっぱ良い。」


ヒロトは答えを出さないあたしに痺れを切らしたように、ため息を混じらせた。


思わずほっと安堵している自分がいる。

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