星屑
ヒロトの瞳が持ち上げられた。
腕を出せ、と言ったのに、彼はじっとあたしを見た後で、視線を外す。
「奈々って土屋が好きなの?」
「どうしてそういうことになるの?」
彼は不貞腐れたように舌打ちを吐き捨て、悪かったよ、とぼそりと言う。
「腹立つけど、冷静になってみたらアイツの言うこと正論だった。」
「…何のこと?」
「怪我、してないっぽいなら良いけど。」
本当のヒロトは、素直になれないだけなのを知っている。
それと同時に、頭に血が昇ると周りが見えなくなることも。
「別に、あたしのことは良いって。
それよりアンタでしょ?」
そう言ってから、無理やり腕を出させ、コットンに消毒液を含ませた。
先生の見よう見真似だが、しないよりはマシだろうし、と思っていれば、真っ白なそれは赤く染まっていく。
でも、どうやら傷は浅いようで、どれも絆創膏さえ貼るほどではないらしいが。
「ヒロト、騒ぎ起こして退学とかにでもなったらどうすんのよ。」
「わーってるよ。」
「わかってんなら喧嘩とかしないでよ。
みんなアンタのこと心配してるって、何でわかんないの?」
ヒロトはまた舌打ちをした。
確かにヒロト自身も心配だけど、ぶっちゃけこうやってあたしが尻拭いさせられる羽目になるのも疲れる。
処置を終えると、彼は雨粒に歪む外の世界へと視線を移す。
「もしかして、俺のポイント急降下?」
腕を出せ、と言ったのに、彼はじっとあたしを見た後で、視線を外す。
「奈々って土屋が好きなの?」
「どうしてそういうことになるの?」
彼は不貞腐れたように舌打ちを吐き捨て、悪かったよ、とぼそりと言う。
「腹立つけど、冷静になってみたらアイツの言うこと正論だった。」
「…何のこと?」
「怪我、してないっぽいなら良いけど。」
本当のヒロトは、素直になれないだけなのを知っている。
それと同時に、頭に血が昇ると周りが見えなくなることも。
「別に、あたしのことは良いって。
それよりアンタでしょ?」
そう言ってから、無理やり腕を出させ、コットンに消毒液を含ませた。
先生の見よう見真似だが、しないよりはマシだろうし、と思っていれば、真っ白なそれは赤く染まっていく。
でも、どうやら傷は浅いようで、どれも絆創膏さえ貼るほどではないらしいが。
「ヒロト、騒ぎ起こして退学とかにでもなったらどうすんのよ。」
「わーってるよ。」
「わかってんなら喧嘩とかしないでよ。
みんなアンタのこと心配してるって、何でわかんないの?」
ヒロトはまた舌打ちをした。
確かにヒロト自身も心配だけど、ぶっちゃけこうやってあたしが尻拭いさせられる羽目になるのも疲れる。
処置を終えると、彼は雨粒に歪む外の世界へと視線を移す。
「もしかして、俺のポイント急降下?」