星屑
例えば知らないうちに出来ていたはずの小さなひび割れだって、気付いた時には大きな亀裂になってあたしを苦しめる。


答えを求めたがるヒロトと、明確なことを嫌う勇介。


そんな中で自分自身の気持ちさえ定まらないあたしは、一体何だというのだろう。


ふらふらと、おぼつかない足取りのままに教室の近くまで戻ったところで、あたしを呼び止めたのは沙雪だった。



「奈々、顔色悪くない?」


曖昧に笑ってはみたものの、様子に気付いたらしい大地くんまで近寄ってくる。


正直、今は彼にまでこんな顔を見られたくはないのだけれど。


昨日は雨に打たれたのだし、それが今更になって体調不良まで引き起こしている気さえする。



「ねぇ、保健室行った方が良くない?」


「大丈夫だって。」


そう言って、あたしはまた歩を進めた。


幸せそうな沙雪に心配してもらうことほど、惨めなことはないだろう。


学校でヒロトの姿を見ないことだけが、せめてもの救いだと思った。



「奈々ちゃん!」


その呼び掛けに、再び足を止めてしまった。


声を発した主は大地くんで、その続きなんて容易く想像出来たのに。



「勇介と、何かあったんだろ?」

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