星屑
元々あまり学校に顔を出さないヒロトは良いとして、勇介までも、あの日以来学校で姿を見掛けることはなくなった。


だからそれが、まるでどちらにも避けられているような気になる。


なんて、自意識過剰も良いとこだけど。



「ねぇ、聞いてよー!」


キャピった沙雪は声を潜めてあたし達に笑顔を零す。


樹里は頬杖をついて視線だけを上げ、「どした?」と聞いた。



「さゆねー、大地と初エッチしちゃいましたー!」


自分で言っといて、きゃー、と言う彼女に、若干呆れ気味のあたし。


何だそんなことか、と樹里はため息を吐き出し、そのテンションの違いに思わず困惑してしまう。



「じゃあ、あたしも報告。」


そう言った彼女は、再び視線を窓の外へと投げた。



「別れたから。」


「…へ?」


「だから、あたしツカサと別れたの。」


何も知らなかった沙雪は目を丸くする。


結局そうなったのか、とあたしはこめかみを押さえた。


樹里の心を占めてるのが誰なのか、なんてことを今更聞く気はないが、世の中なんて上手くいかないように出来ているのかもしれない。



「これってさゆのこと祝うの優先?
それとも樹里の慰め会開くべき?」


少し笑いながら言ってみれば、ふたりは困ったような顔をした。


空も、あたしの心も、やっぱり今日も晴れ渡ることはないらしい。

< 172 / 418 >

この作品をシェア

pagetop